個性的で特有の存在感を放つトチの家具 オーダー家具BRUNCH東京目黒本店
COLUMN家具職人コラム
2022.10.18
コラム
人を惹きつけてやまない「トチ一枚板」
トチノキとは?
トチノキ科トチノキ属の広葉樹であるトチノキ。
- 小学校の国語の教科書にも載っている「モチモチの木」をご存知でしょうか?
挿絵が切り絵という非常に印象深い絵本なのですが、作中に出てくるモチモチの木は実はトチノキです。その実は栗によく似ており、栃餅など食用として使用されています。 - 先ほど紹介した「モチモチの木」の名前の由来は栃餅からきているのかもしれませんね。
- ちなみに日本のトチノキの近樹種としてセイヨウトチノキがあります。英名は「hourse-chestnut(ホース チェストナット)」、仏名は「marronnier(マロニエ)」と呼ばれています。どちらも「馬栗」を意味する名前ですが、これは昔「馬が栃の実を食べていたり、馬の咳を直す薬として使われていた」という説が由来とされています。フランス・パリのシャンゼリゼ通り、マロニエの並木道が続いています。
- ちなみに国内に目を向けると、銀座に「銀座マロニエ通り」がありますが、こちらには近樹種のベニバナトチノキが多く植えられているそうです。
産地
- 北海道、本州、四国、九州と全国の渓流沿いの肥沃な土地に多く分布しており、特に寒い地域でよく見かける木です。 県名に「トチ」が入った栃木県では県木に指定され、街中でも見かけることができます。
特徴的な育ち方
栃は不規則に成長する場合が多く、北海道の白木神社( 栃の木神社) にあるトチの樹齢はなんと800 年以上と言われています。
連理木( れんりぼく、れんりぎ) という二本の木の枝が途中で接合した状態ですごい迫力です。
この写真のトチには表面にたくさんの模様が入っているのがわかると思います。 表面に表れる特殊な模様のことを「杢目( もくめ)」と言い、自然から様々な影響を受け不規則に生成した木に表れます。 栃のようには比較的ねじれたり、曲がったりしながら育つ木に表れやすい杢目が写真の「縮み杢(ちぢみもく)」です。 杢目は全ての木に入るわけではないため、この杢が入った一枚板は非常に価値があります。 また杢目の入った板を仕上げるためにはとても技術がいるため、全体に杢が入った栃はとても希少といえます。 栃の木の魅力は、その生長の仕方に深く関係しているということですね。
色合い
栃の色合いは一言で表すことができなくほど様々な色合いがあり、大きく分けると
「金色のような光輝く色合い」「白く光る色合い」「赤みを含む色合い」に分けられます。
通常国産材は赤みが人気・価値ともに高いことが多いですが、栃は白い部分に高い価値があるとされています。 特に全体が白い「白栃」はとても価値があり、なかなかお目にかかることはできなくなっています。 国産材が少なくなった現在、栃の人気・価値は年々上がり続けており、トチも同様にその数は減っています。 当然市場に出回る数が減れば価値も高くなりますので、トチをお探しの場合は少しでも早くご検討いただければ幸いです。
木目・手ざわり
シルクとも言われるなめらかな木肌、光沢はトチの最大の特徴です。 複雑な木目と相まって光り輝くような美しさを見せるトチは、国産の白木の中ではあまり和を感じさせない木目・雰囲気であり、モダンな雰囲気のダイニングテーブルに仕上がることで常に高い人気を誇ります。 トチは実際にご覧いただくことで、よりその魅力に引き込まれていく木です。 写真では伝わりきらない美しさがありますので、ぜひ店頭で実際にご覧いただければと思います。
他の樹種、素材との組み合わせ
個性的で特有の存在感を放つトチはお部屋の主役になります。 色合い的には明るい部類に属するため、オーク材やタモ材で系統を揃えればまとまりのある空間に、その個性を生かしてウォールナットなど濃い色合いとあわせれば、モダンな雰囲気になります。
トチの一枚板にレッドオークの脚、ビスクオークのチェアをあわせています。程よくトチの存在感を感じる空間になっています。
ウォールナットとあわせると引き締まった印象になり、ぐっとモダンなテーブルになります。 その他、鉄や革など異素材との相性も良く、組み合わせ次第でいろいろな表情を見せてくれます。
トチの家具
BRUNCH では現在一枚板のみ取り扱っております。 ダイニングテーブルを中心にデスクやローテーブルなど、さまざまなサイズがございますのでぜひ実際にご覧いただければと思います。
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