「ソファのようなチェア」製作秘話 BRUNCH東京目黒本店
COLUMN家具職人コラム
2022.10.18
コラム
ソファのようなチェア 製作秘話
何時間でも座っていられるチェアを作る。それは今までにない試みでした。
私たちはいつも多くのお客様とお話しをさせていただく中で、さまざまなご要望や家具への想いを伺います。 私たちがお客様からいただく「こんなチェアがあったらいいな・・・」の声。 そんな私たちのBRUNchair完成に至るまでの、製作過程をご紹介いたします。
目次
チェアに求められる要素は
家族団欒の食後に……
お食事をとって、奥様が後片付けをしている間にソファが占拠されていること、寛ぐ場所がなくなっていることはありませんか? そんな時ソファ以外で寛げる場所、ソファのようなチェアがあったら……と思います。
奥様ランチ会で……
お友達奥様を家に招いてランチ会やお茶会を開く時、最近ではリビングよりもダイニングで過ごされることが増えています。 そんな時、ダイニングチェアに座っているとだんだんとお尻が痛くなって疲れたことはありませんか?
2時間でも3時間でも座っていられるダイニングチェアがあれば……と思います。
仕事を持ち帰って……
自宅の書斎はオフィスチェアでなく木フレームのチェアを合わせたくて選んだけれど、やっぱり長時間座っていると疲れてきてしまって集中できない……。なんてことはありませんか?
そんな時、木フレームのチェアでも長時間座っていられるチェアがあったら……と思います。
リビング・ダイニング学習で……
最近では子どもの学習を子ども部屋ではなくリビングやダイニングでさせるご家庭が増えています。
しかし勉強用として作られているダイニングチェアではないので、疲れによって勉強への集中力も次第に切れてきてしまいませんか?
そんな時、子どもでも長時間座っていられるチェアがあれば……と思います。
チェアに求められる要素は?

「何時間もお友達とおしゃべりしても疲れないチェア」
「パソコンをしていてもお尻が痛くならないチェア」
ここから導き出される答えは何か……。
「ソファみたいに使えるチェア」

分析の結果、「ソファみたいに使えるチェア」を一番に優先させる仕様に決まり、デザインや座面の固さなど、 お客様からいただくご意見をもとに詰めていきました。
Concept and Design

「どんなデザインにするのか」
「どうしたらコンセプトにぴったりのカタチになるのか」試行錯誤の日々です。 長時間座っても強度的にも問題ない構造設計と、デザインの両立。
家具職人さんとも相談をしながら、試行錯誤しながらBRUNchairのカタチを作り上げていきました。

2種類の試作品をチェック!けれども...

座面下が板の構造のため、座った時にお尻に板が当たる感覚、底付き感がありました。これでは長時間座ると疲れてしまいます。
これではまったくコンセプトに合致しません。気を取り直して、もう一方のウェービングベルト仕様の座り心地を確かめてみると……。
「たしかに柔らかくて底付き感はないけれど……、これで本当に2~3時間も座っていられるだろうか?」と感じてしまい、 それほど感動的な座り心地はありませんでした。これではコンセプトを十分に満たしたとは言えません。
設計をやりなおし
ソファのような座り心地を目指すのであれば、 チェア座面の構造を変えなければいけません。木フレームのチェアで、ソファのような掛け心地……。 ソファと試作品チェアの違いは?何度もソファとチェアを座っては観察して、座っては観察して……。
スタッフ皆で検討を重ねました。
座面クッションの素材を再検討
どの組み合わせがいいのか。何枚重ねるか。固さは。一つひとつスタッフ全員で座り心地を確かめ、 何十種類の組み合わせの中から候補を絞り込みました。
そして何度も座り心地を比較したのち、スタッフ全員が「これだ!」と思える組み合わせを見つけ出しました。
三度目の正直!
いよいよ工場の家具職人から「もちっとした座面」の試作品が届きました!届いた箱を開けて取り出した瞬間、 「わあ!」「かわいい!」「早く座ってみたい!」スタッフから歓声が上がりました。 木フレームの丸みにフワッと乗っかったような座面。とろっと落ちそうな座面のカタチはこれまでに 私たちが扱ったことがない独特のフォルムのチェアです。これならお客様に「座ってみたい!」と 思っていただけるのじゃないか?!という期待感が先行し、自分がとにかく早く座ってみたい!押すな押すな!の大賑わいに。

ついに完成!




実はこちらの掘り込みにも理由があるのです。通常、チェアの背もたれの接合部はダボとボンドで接合しています。
しかし、BRUNchairの場合は「2~3時間でも座っていられるチェア」がコンセプトです。 その場合、長く座る、ゆったりと座る分だけ他のチェアよりも強度が必要になってきます。 そのため、背もたれの部材にダボを使わずに、木フレームに背もたれ部を差し込むことで強度を増しました。
座り方はさまざま
座り方、寛ぎの形は人それぞれ。人には必ず座った時の癖があります。自分の性格に合った形のチェアを選ぶことが一番です。あなたはアーム派?サイド派?
テーマ: